選者:森永邦彦
ファッションとは程遠いステンレスアルミに着目し、焦げ目をつけるなどの加工を施して服に近づけようとする姿勢に、気概と挑戦を感じました。ファッションではないものをファッションに持ってくる。自分もその視点に共感を覚えます。実物は、一見、ステンレスアルミの部分が金網に見えません。でも触ると、あ、金網だ!と。このギャップがいいですね。狙ってつけた焦げ目は偶然できた色と相まって絶妙な魅力を放っています。この素材でバリエーションを出してみませんか? 実は僕も同じ素材に注目し、金網問屋からサンプルを取り寄せたことが。オーガンジーのような薄くて柔らかいタイプもあります。ぜひ調べてみてください。あとは造形。この作品自体、宮本さんの思いや世情を投影したそうで、素材はうまく表現されていますが、造形はぐちゃぐちゃしているだけでメッセージが伝わってきません。造形は偶然に期待せず、計算して作ったほうがいいですね。
宮本瑞歩