選者:髙島一精
僕の場合、1次のポートフォリオ審査では、デザイン画を超えてどう表現して形にするか、そこに期待できる人を選んでいます。だから村橋さんの作品を楽しみにしていましたが……デザイン画を超えなかったですね。テキスタイルのコンテストならよかったけれど、装苑賞は服のコンテスト。残念ながらこの作品はテキスタイルを作って終わっています。ピカソの名作から戦争に対する思いを作品で表現したいといいますが、説明がなくても、服を見ただけでその思いが伝わらないとだめです。こだわったスラッシュキルトの技法は誰でもできます。装苑賞の公開審査会を見たことがありますか? そのこだわりはあの大きな会場では見えません。靴は既製品のままでアレンジしていない? 周りのアドバイスだといいますが、自分の価値観でコーディネートを考えないと。着眼点はすごくいい。だから誰にもできない工夫をたくさん凝らして、造形的にダイナミックに作ってください。
村橋美咲